不来方賞展望、三冠目指すマヨノエンゼル
11月22日、水沢競馬のメインレースはテレビ岩手杯、社台SS協賛、第41回不来方賞(フジキセキ賞)。3歳三冠路線の三冠目としての役割は昨年同様ですが、秋後半の水沢に移されたことで、地方交流時代のダービーグランプリのような条件となりました。
最近は「3歳馬のトップクラスは夏以降古馬と戦うべき」だとか、長距離戦が流行らなくなったことでJRAの菊花賞も肩身が狭くなっているようですが、4月に始まり1月に終わるという岩手競馬の流れであれば、この時期に不来方賞を持ってくることは全く不思議がなく、むしろ全体のバランスを考えてもプラスになる条件変更でしょう。苦しい状況の中で賞金を増額したことにも、このレースへの岩手競馬の思いが込められていると思います。
県外からの遠征馬は4頭、微妙な数とはなりましたが、それは二冠馬マヨノエンゼルの強さが全国的に認識されているのではないでしょうか。

9月13日、青藍賞
2歳時は常にワタリシンセイキの後塵を拝していたマヨノエンゼルでしたが、ワタリシンセイキの南関東移籍後は3歳ナンバーワンの座をガッチリとキープ。差し馬が極端に不利な状況だった盛岡の七時雨賞を取りこぼしたほかは、ほぼ完璧な内容で阿久利黒賞、岩手ダービーダイヤモンドカップを制しました。単なる繰り上がりのナンバーワンでないことを証明したのが秋の青藍賞で、古馬のトップクラスを相手に完勝し、小林騎手もレース振りも含めて成長を絶賛。南部杯も6着で地方最先着の位置を守りました。
今回の不来方賞は4頭の遠征馬を迎えますが、青藍賞では南関東B2で勝ち星のあるリュウノケンシロウを完封。今回ライバルと目される船橋のグレードアップも前走でB2、B3のJRA交流(岩手でいうフレンドリーカップに相当)を勝っていますが、地の利も含めて互角以上の勝負が可能と判断しました。地元応援の願望も込めてですが、マヨノエンゼルの三冠達成に期待したいと思います。
そのグレードアップが逆転候補の一番手です。南関東で7戦5勝の高勝率、4月のクラウンカップではのちに東京ダービー馬となるサイレントスタメンから1.0秒差の5着でした。ちなみに東京ダービーではワタリシンセイキがサイレントスタメンから0.3秒差の5着しています。このことからグレードアップは相当な素質馬であることが想像できますし、同時にワタリシンセイキも、マヨノエンゼルも今年の地方3歳馬としてはなかなかの地位にいることが改めて類推できます。問題はキャリア不足という点であり距離経験は1600mまで、ここが最大のポイントになるような気がします。
岩手勢の2番手はトキワノマツカゼにしました。北海道2勝から転入後は7戦して2着5回と勝ち星なしですが、ほとんど崩れなくマヨノエンゼルに続いています。マヨノエンゼルを逆転することは容易ではないと思いますが、夏場をしっかり休養に充て、この秋はクリスタル賞2着を叩いての2走目。しっかりローテーションを守っている点に好感が持てます。
名古屋のスギノブライアンもなかなか強そうです。駿蹄賞2着、金沢へ遠征してMRO金賞(東海・近畿・中国交流)を勝っています。前走の岐阜金賞は5着敗退も前半のハイペースに巻き込まれて直線失速したものであり(勝ったのは岩手デビューのトウホクビジン)、評価を下げるものではありません。それに加えてこの馬の魅力は血統面、父は岩手の皇帝トーホウエンペラーに、母父は名古屋の歴史的名馬ゴールドレット。ゴールドレットは東海23戦20勝2着3回、何度も中央挑戦が噂された怪物であり、主戦騎手はスギノブライアンを管理する原口次夫調教師でありました。地方競馬ファンであれば、地区の隔たりに関係なく応援したくなる背景を持っている馬です。
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最近は「3歳馬のトップクラスは夏以降古馬と戦うべき」だとか、長距離戦が流行らなくなったことでJRAの菊花賞も肩身が狭くなっているようですが、4月に始まり1月に終わるという岩手競馬の流れであれば、この時期に不来方賞を持ってくることは全く不思議がなく、むしろ全体のバランスを考えてもプラスになる条件変更でしょう。苦しい状況の中で賞金を増額したことにも、このレースへの岩手競馬の思いが込められていると思います。
県外からの遠征馬は4頭、微妙な数とはなりましたが、それは二冠馬マヨノエンゼルの強さが全国的に認識されているのではないでしょうか。

9月13日、青藍賞
2歳時は常にワタリシンセイキの後塵を拝していたマヨノエンゼルでしたが、ワタリシンセイキの南関東移籍後は3歳ナンバーワンの座をガッチリとキープ。差し馬が極端に不利な状況だった盛岡の七時雨賞を取りこぼしたほかは、ほぼ完璧な内容で阿久利黒賞、岩手ダービーダイヤモンドカップを制しました。単なる繰り上がりのナンバーワンでないことを証明したのが秋の青藍賞で、古馬のトップクラスを相手に完勝し、小林騎手もレース振りも含めて成長を絶賛。南部杯も6着で地方最先着の位置を守りました。
今回の不来方賞は4頭の遠征馬を迎えますが、青藍賞では南関東B2で勝ち星のあるリュウノケンシロウを完封。今回ライバルと目される船橋のグレードアップも前走でB2、B3のJRA交流(岩手でいうフレンドリーカップに相当)を勝っていますが、地の利も含めて互角以上の勝負が可能と判断しました。地元応援の願望も込めてですが、マヨノエンゼルの三冠達成に期待したいと思います。
そのグレードアップが逆転候補の一番手です。南関東で7戦5勝の高勝率、4月のクラウンカップではのちに東京ダービー馬となるサイレントスタメンから1.0秒差の5着でした。ちなみに東京ダービーではワタリシンセイキがサイレントスタメンから0.3秒差の5着しています。このことからグレードアップは相当な素質馬であることが想像できますし、同時にワタリシンセイキも、マヨノエンゼルも今年の地方3歳馬としてはなかなかの地位にいることが改めて類推できます。問題はキャリア不足という点であり距離経験は1600mまで、ここが最大のポイントになるような気がします。
岩手勢の2番手はトキワノマツカゼにしました。北海道2勝から転入後は7戦して2着5回と勝ち星なしですが、ほとんど崩れなくマヨノエンゼルに続いています。マヨノエンゼルを逆転することは容易ではないと思いますが、夏場をしっかり休養に充て、この秋はクリスタル賞2着を叩いての2走目。しっかりローテーションを守っている点に好感が持てます。
名古屋のスギノブライアンもなかなか強そうです。駿蹄賞2着、金沢へ遠征してMRO金賞(東海・近畿・中国交流)を勝っています。前走の岐阜金賞は5着敗退も前半のハイペースに巻き込まれて直線失速したものであり(勝ったのは岩手デビューのトウホクビジン)、評価を下げるものではありません。それに加えてこの馬の魅力は血統面、父は岩手の皇帝トーホウエンペラーに、母父は名古屋の歴史的名馬ゴールドレット。ゴールドレットは東海23戦20勝2着3回、何度も中央挑戦が噂された怪物であり、主戦騎手はスギノブライアンを管理する原口次夫調教師でありました。地方競馬ファンであれば、地区の隔たりに関係なく応援したくなる背景を持っている馬です。
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