東北産馬の南部杯、フレンドリーカップ・銀河賞

　９月２９日の盛岡競馬は第９Ｒにフレンドリーカップ・銀河賞が行われます。このレースは、日本唯一である東北産馬の限定競走、ＪＲＡ５００万下、岩手Ｂ１級下（ＪＲＡ賞金に換算して５００万下となるもの）です。メンバーはＪＲＡ３頭、盛岡１頭（ヘライカントリー）、水沢から６頭の計１０頭です。水沢からの出走馬をご紹介します。


　セイトは父ダンツシアトル、母ライテンアップ（母父ナシュワン）。青森県上北郡横浜町、明成牧場の生産馬。船橋デビューで昨年春に水沢へ移籍。通算２４戦６勝、スピード勝負に強いタイプです。Ｂ１昇級後も崩れなし、Ａ級に手の届くところまできています。


　ブラックオーメンは父タイガーチャンプ、母ハイセイグリーン（母父ハイセイコー）。青森県上北郡下田町、山白竹見氏の生産馬。浦和１戦０勝から２００５年の春に水沢へ移籍して通算７０戦１２勝。当初は気難しさばかりが目立ちましたが、４歳夏から馬が変わったかのような快進撃が始まりました。一昨年の銀河賞はセイカモリオカの４着、今季はすでにＢ１級で白神賞を含む２勝をあげています。


　マルワグランディは父アイシーグルーム、母タイセンルビー（母父サクラサニーオー）。青森県八戸市、大橋牧場の生産馬で６０戦８勝。新馬戦でノムラサッカーオーと同着優勝、低迷時期もありましたが、４歳となって徹底先行を武器に復調してきました。その脚質から大敗も多く、馬券的妙味の高い馬です。


　セユウブラボーは父アントレプレナー、母デヴィルズドリーム（母父カコイーシーズ）。青森県三戸郡倉石村、今川満良氏の生産馬。通算３７戦１勝ですが、その１勝はデビュー２戦目、東京２歳優駿牝馬に出走するなど、南関東では３歳時まで特別路線を走りました。岩手では転入２戦目になります。


　トーホクスワローは父ダンツシアトル、母ダンスオンザコースト（母父コースタル）。青森県八戸市、滝沢牧場の生産馬。半兄にキングリファールという期待馬が３歳になって１０戦７勝、格付けのマジックもありますが、通算１４戦８勝は岩手の３歳馬で最多勝です。岩手の東北産馬の未来を担うであろう存在で、古馬相手に敢然と挑戦してきました。


　ケイアイオークは父モガンボ、母オークスピリッツ（母父）サンデーサイレンス。青森県三戸郡五戸町、青森桜井牧場の生産馬、大井で８戦したあと水沢へやってきて通算９２戦１０勝、銀河賞は過去３回の挑戦でいずれも７着です。


　この他、岩手所属の東北産馬で有名なところは、Ａ級にマツリダワルツ（青森県三戸郡南郷村）、カオリエスペランサ（青森県八戸市）、またＢ２級ですが、ＪＲＡ５００万以上となるテンポウキング（青森県三戸郡倉石村）、３歳ではヨコハマボーイ（青森県上北郡横浜町）が活躍しています。


　岩手競馬での東北産馬限定競走は、２００２年にフレンドリーカップ・シリウス賞として、２００３年からはフレンドリーカップ・銀河賞として実施されています。昨年は馬インフルエンザの影響で実施されませんでした。これまではすべてＪＲＡ勢の勝利、岩手勢は２００２年に西康志騎手の豪腕で追い込んだエスエスレディ（宮城県加美郡宮崎町）の２着が最高で、トウホクダンディー（青森県上北郡横浜町）、エイコウリード（宮城県仙台市太白区）、スターグリッター（青森県三戸郡名川町）、タマノジャガー（青森県八戸市）が３着に入っています。また、勝ち馬を産地別で見ると、青森県３勝、宮城、福島県が各１勝となっています。
　一見軽そうに見えてもＪＲＡ勢は毎年強力なのですが、今年こそは岩手所属馬の頑張りに期待したいところです。

　東北産馬にはもちろんＧＩ馬も出ているわけで、先週にもローズステークスでマイネレーチェルが勝ったばかり。ＪＲＡ５００万級にこだわる必要はないのですが、九州産馬の霧島賞と同様に大切に育てていきたいレース、工夫次第でもっと盛り上げることが可能だと思います。９月２９日「ケイシュウＮＥＷＳ」にも、メインの八幡平賞と同様に「銀河賞」の文字が躍っています。

（市町村名は合併などで変わっている場合があります）


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